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広重って知ってるよね!東海道風景圖會 前編とうかいどうふうけいずえVer. 1.2 更新 |
浮世絵といったら葛飾北斎に東洲斎写楽,そして歌川広重などは教科書にも載るほど有名です。
歌川広重の名前を聞いたことがなくても,
「
東海道五十三次」
の中の一枚ぐらいはどっかで見たことがありませんか?
世界的にも有名なこの「歌川広重」の版画(!?) が総合図書館にある! といったらビックリですね。
残念ながら浮世絵そのものではないのですが,歌川広重が挿絵を描いた「東海道風景圖會」という道中案内記を所蔵(更に残念ながら「前編」のみ)しています。
刊行されたのは嘉永4年(1851)ですから,当然木版刷り!! ということは,「歌川広重の版画」です (^^;
分類 | 著者記号 | 登録番号 | 資料ID |
---|---|---|---|
291.3 | UTA | 52452 | 0160524526 |
国文学研究資料館には,『日本古典籍の総合目録データベース』があり
国書基本データベース(著作編)の検索
というページで書誌情報を検索することができます。
ここで「東海道風景図会」をキーに検索すると
が見つかりました。 これでは,「二編四巻四冊」となっていますが,本学所蔵のものは「前編」となっています。 でも,【著作注記】に「二冊本あり。」となっていて,どうもこれに該当するようです。
インターネットで検索すると,
というのが見つかりました。
※ このページは,慶應義塾大学の 「 HUMI(HUmanities Media Interface) PROJECT」の中で, 「 慶應義塾所蔵の稀覯書画像」の 「 日本の錦絵」の一つとして公開されています。 (なんてたって「稀覯書」です!!)
このページの 「 東海道風景図会について」には
とあります。
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←右側ページに「一立齋廣重筆」とあります。
(慶應義塾所蔵のものはページのデザインそのものがことなっています。) 左ページの末尾に「嘉永よとせの春」とあります。→ |
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ここで紹介されている「東海道風景図会」は4冊本ですが,前編下冊の最後のページが「秋葉道 四十八瀬越」で本学所蔵の前編最後のページと一致するので,ここからも2冊本のうちの前編であることが確認できます。
この前編には,日本橋から江の島,箱根,府中(駿河)を経て懸川(掛川),秋葉道 四十八瀬越までが掲載されています。
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慶應義塾大学所蔵の「東海道風景図会」では全てのページを画像として見ることができるほか,なかの文章もテキストでよめるようになっているすばらしいものです。
この本の最初の方のページに
「
道中風俗(1)」がありますが,この解説には
とあるのですが,何と本学所蔵の「東海道風景図会」にはちゃんと「修行者」と印字されています。
じゃぁ,初刷り本かというと多分違うのでしょうね。
4冊本ではありませんし,扉には慶應義塾所蔵のものと同様「福」と「村松」の改印が刷られています。
但し,見返しには「松林堂梓」とあり,慶應義塾所蔵のもの(「錦昇堂寿梓」)とは異なっているようです。(ページ自体のデザインそのものが異なっているのは前述のとおりです。)
※ これらのことは,田中図書情報係長が発見したものです。
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(左下部分のアップ)「修行者」と刷られています。→ | ![]() |
それは,ある日(2003 年初夏)カウンタでのできごとでした。
漢文の澤崎先生が,書庫から1冊の和装本を取ってきて
とのこと。
現物は厚紙製化粧箱(大きさに合わせて特注したと思われる紙製ケース)に和装本
で,確かに「921.3 / UTA」という分類なのですが,
表題は「東海道風景圖會」!!(分類は「291.3」の書き間違いでした。)
確かに「921.3」ということはないなぁ,田中さんに直してもらおうと思いつつ,
いとぉーにとってはめったに手にすることはない「和装本」。パッと開くとなんと全ペー
ジ風景イラスト集です。イラストといっても当然「版画」,殆どは2色(黒とねずみ色)
ですが,巻頭部分は4〜5色の色刷りもあってなかなか楽しいものです。
たまたま表紙の裏をみると「東海道風景圖會 前編」とあってその隣に「 一立齊廣重筆 」とあります。「廣重」といえば「安藤広重」しか思い浮かば
ないのですが・・・・。
そういえば「安藤広重」は「歌川広重」で・・・請求記号が「921.3 / UTA」となっている。
まさか・・・と半信半疑のまま・・・「一立斎広重」をキーに google で検索すると,
また,
とあります。
『これはもぉー,間違いない!!』ということで・・・・。