【小島家文書】
小島家文書は、福井県坂井市三国町出身の小島武郎氏(2007年死去)が、1973年5月以来、数度にわたって福井大学附属図書館に寄託されていたものを、2012年2月7日次男の小島章宏氏の御厚意により寄贈された近世文書である。
小島家はもともと越前国坂井郡野中村に在って、江戸時代には代々大庄屋に任じられた家筋であった。
小島家文書は一部江戸初期及び明治期のものを含む江戸時代中・後期を中心とした文書群であり、その数量は6,000点以上を数える。また、大庄屋文書であるだけに、組下村々の情報も多く知ることができるのであり、単に福井県という一地方の研究にとどまらず、日本近世史あるいは地方史を研究するうえで極めて価値の高いものといえよう。
小島武郎氏は、地方文書はその土地において保管されるべきであり、その方が適切かつ有効に活かされると判断され、1972年4月、当時の品川書店社長品川一郎氏を通じて福井大 学附属図書館に寄託されたのである。
寄託を受けた文書は関係者の協力を得て整理され、1973年5月に『小島家文書目録』が、1979年2月には追加寄託分を含む『新訂・増補 小島家文書目録』が発行されている。
本館では時代の趨勢に棹さして、小島家文書アーカイブをインターネットで公開することを目指し、2002年に教育改善推進費(学長裁量経費)を得てデータベースを構築し公開した。しかし、諸般の事情によって自由な画像の閲覧がが出来なかった。
この度、小島章宏氏の御理解により、ようやく公開することが出来るようになった。今後小島家文書の研究が一層進むことを期待するものである。