【コラボセミナー報告】心のバリアフリー2

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「心のバリアフリー」という言葉を聞いたことがありますか?

心のバリアフリーとは、「様々な心身の特性や考え方を持つすべての人々が、相互に理解を深めようとコミュニケーションをとり、支え合うこと」を指します。※1

バリアフリーは、スロープや手すりの設置などで物理的に障壁となるものを取り除くのに対し、心のバリアフリーは、コミュニケーションや他者理解などを通して様々な人のバリアを取り除いていこうという考え方です。

※1:ユニバーサルデザイン2020行動計画(2017年2月ユニバーサルデザイン2020関係閣僚会議決定) より

総合図書館では、障害者週間(12月3~9日)に合わせ、「心のバリアフリー」について考えてみようと協賛および会場として、12月に展示・イベントを開催しました。
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こちらでは、期間中に開催されたイベントについてご報告します。

【セミナー】実践!こころのバリアフリー 視覚障がい者と安全に歩こう!身近なもので見えにくさ体験

開催日:2022年12月2日
場所:総合図書館3階研修室

福井県立盲学校の岡島先生をお迎えして、標記のセミナーを開催しました。

セミナーでは、先生ご自身が弱視ということで、矯正視力(0.03)での見え方を動画で示され、お手製のPPTスライドにはご家族の紹介もあり非常にフレンドリーで導入部分からくぎ付けでした。お仕事柄、スライドの色や文字の大きさも見やすい工夫がたくさん施され、お話の声のトーンや早さは非常に聞き取りやすく、普段から真似したくなるお手本が数多くありました。

障がいと認定される弱視から全盲まで、視覚障がいの程度と幅は非常に様々であること、日本の盲学校の歴史から現状、最近の支援ツールの活用法など、どれも知らないことばかりで、実体験を織り交ぜて出てくるお話はどれもなるほどと感心してしまいました。こうして自分が住む世界以外の世界を知り、こころのバリアフリーを広げるために必要な費用はなんと無料!プライスレスのお互いを支えあう気持ちさえあれば実現するのです。

ということで、講演の後は、実践編となり、ペアを組んで、階段の昇降をお手伝いする人、される人を体験しました。
いきなり大声で話しかけない、肘を軽く持ってもらう、1歩先を歩く、上がるのか下るのか説明する。周りの風景なども伝える・・・どれもいざやってみるとなかなか難しく、非常に貴重な体験となりました。

【セミナー】はじめてのノートテイク~聴覚障がい支援~

開催日:2022年12月9日
場所:総合図書館1階メディアコモンズ

耳が聞こえづらい学生のために、ノートテイクという支援方法があります。これは「文字通訳」のことで、講義の際に学生の隣席において「耳の代わり」となり講義内容や教室内でおこっていることを忠実に聞き取り、遅れずに筆記(手書きやパソコン(以下、PC)を使用)していく同時通訳のようなものです。
このセミナーでは、ノートテイクの方法について、障がいのある学生及び教職員のための相談室の林先生から説明を聞き、実際にノートテイクの専用ソフトを使い、流れてくる音声を文字に変換しました。話し言葉を全て文字にすることはできないため要約するので、要約筆記とも呼ばれるこの作業は、ノートテイクする人の講義への理解度なども問われ、なかなか大変な作業だと感じました。

【イベント】支援機器、障がい疑似体験、アンガーマネジメントなどの心理系カードゲー ム

開催日:2022年12月2日、6日、7日、9日
場所:総合図書館1階メディアコモンズ

期間中、4回開催された体験会では、耳が聞こえづらい、目が見えづらいの体験器具、さらにそれを助けるための機器・ツール・ゲームなどが紹介されました。
その中にあるアンガーマネジメントゲームを障がいのある学生及び教職員のための相談室の学生サポーターの方と一緒にやってみたところ、他者の怒りの沸点を予想し、自分との違いや他者との共感など体験でき、学ぶところが多くあり、また初対面同士でも充分楽しめました。

どのイベントも、未体験の方に一度体験していただきたいものばかりでした。あなたの世界を広げるきっかけになるかもしれません。

ご質問等ありましたらこちらまでお願いします。